2010/12/10

トイレの神様はお待ちです










可睡斎に初めて訪れる大半の方々は、

ご祈祷か精進料理を目的においでになります。


しかしながら、


可睡斎はれっきとした禅寺であって

曹洞宗の修行道場としての一面もあり、


修行僧も日々精進弁道の生活を

四季の移り変わりとともに過ごし、


行く雲のごとく

流れる水のように


各地からやって来てはまた各地に

去っていくのが常であります。


それでもこの門をくぐった以上、

修行僧は己の修行を貫かねばなりません。


どんなに長く修行をつんでいようとも

新たに向かう修行道場では

トイレ掃除から始まることが基本です。


禅寺では、トイレのことを

「東司 ( とうす )」とお呼びします。



禅宗には「三黙道場」という修行の道場があり、

絶対に話をしてはならない場所のことをいいます。


それは、 「僧堂」 「浴司」 「東司」 の三つです。


僧堂は坐禅と食事の場所であり

浴司( よくす )はお風呂のことをさします。


昔より禅宗の修行では、


東司掃除はもっとも大切な修行の一つとされ

人知れず行う東司掃除は陰徳を積む修行であり、


昨今、一般社会や教育の現場では少しずつ

トイレ掃除が見直されるよになってきて、


謙虚な気持ちや気づける心

感動をはぐくみ感謝の心が芽ばえる、

人格形成に役に立つともいわれています。



また、いつものように前置きが

長くなってしまいましたが、


可睡斎のおトイレは戦前より水洗トイレで

当時の建築の粋を極めた見事なものです。


巷ではトイレの神様がここにきて

注目をあびています。


ならば、もっと知ってほしいことが

可睡斎には落ち葉の数ほどあるのです。


ほんとに手前味噌なお話ではありますが、


今回も三回シリーズ(ぐらい?)にわたって

おトイレについてお話ししようと思います。


では、次回


どうぞよろしゅう。


















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